2009年4月6日月曜日

第10回パーレス~ストローク~

第10回パーレスの記録です。



  • ストローク


    • 粒立ったストローク





曲に関してはスペイン・イスパについてやりましたが、奏法上の説明として、ストロークの解説をしました。


・ストローク~粒立ち~

マンドリン合奏におけるギターの役割として、リズムを保持するということが主たるものの一つとして挙げられると思います。和声を出すことができる(マンドリンよりも出しやすい)というのも特徴ですが、音楽を形作るという意味ではリズム楽器としてのギターの役割を無視することは出来ません。ギターパートの発する音次第で、オケの印象は大分かわってしまう(~大抵の場合、マイナスの方向に~)のです。

さて、以前のパーレスでつまみについては説明を行ないました。今回はストロークについてです。

実は、クラシックギターを専門に弾く方の中では、ストローク不要論派の方も数多くいらっしゃいます。事実、あまりクラッシクギターのソロ曲の中ではストロークって出てこないんですよね。メロディーの保持という観点から言うと、ストロークをすることはあまり有用ではないかもしれません。ストロークでメロディー的なことができないわけではありませんが、あまり汎用的ではないのですね。


ひとまず、多くの人が抱くストロークに関しての誤解を挙げておきます。

・ストロークは全力で押し付ける!
・音量が全て。(ムキムキストローク)
・適当にやっても、それなりに鳴るからこれでいっか。つまみよりでかいし。


うーん、よく聞く言葉ですね。特に3番目とか。。


個々に対策を挙げる前に、(マンクラ伴奏的に)求められているストロークの要件を挙げておきます。

・音の粒立ちがはっきりしている
・ジャストテンポで


ということです。僕が口を酸っぱくしていつも言っていることですね。では、これらと上記の誤解を並列しつつ述べていきます。


まず、音の粒立ちをはっきりさせること。マンクラのギタパーはこの点において非常にまずいストロークをしています。そもそも「音の粒立ち」とは何かというと、前後の音が明確に分離していることです。例えば、

♪・♪・♪・♪・

という音列があったなら、

!・!・!・!・

という感じで音が聞こえなければならないですし、


♪♪♪・・・♪♪

でも、

!!!・・・!!

という感じで音が聞こえなければならないわけです。(う~ん、微妙なニュアンス。。)つまり、どれだけ音符が細かくなろうと、そのように聴こえなければ音楽的には的を得ていないわけです。作曲者への裏切り行為ってやつですね。


8分音符だけのリズムなら大抵の場合、みんな楽譜に忠実に聴こえるように弾けています。しかし、問題は(速さにもよるけれど)16分音符が入ってきた場合。「16分のシャッフル」とかって言われたりします。

この16分のリズムがちゃんと聴こえない理由。それはショットスピードの遅さが原因です。弦に対するショットスピードが遅いと、1~6弦を弾ききるまでに時間がかかります。実際、ストロークをするときに6弦がなってから1弦が鳴り出すまでに、タイムラグが発生しますよね?そのずれの幅が大きければ大きいほど、「テンポジャスト」で音が飛んでこなくなります。下の図のような現象が起きているわけです。

_____________


1     ♪
2    ♪
3   ♪
4  ♪
5 ♪
6♪
__________→時間

図:ストローク時の音の発生分布(超簡易図)

極端ですが、こういうことになってますよね。しかし、譜面では一瞬の「♪」を弾いているだけなのです。そろそろストロークの難しさを感じてきたことかと思います。つまり楽譜では、

_____________


1♪
2♪
3♪
4♪
5♪
6♪
__________→時間

図:楽譜の要求する音の発生分布(超簡易図)


という音の出し方を要求しているのです。さて、では実際にショットスピードを上げるにはどのようにすればいいのか。ショットスピード、というのはすなわち、「弦を弾き始めてから弾き終わるまでの時間の尺度」です。つまり、弾き始める前からスピードをMaxにする必要はなく、弾き始めた瞬間から弾き終わる瞬間にかけてTopスピードであればいいわけです。下にまとめてみました。


ショットスピードの上げ方(ダウンストローク編)

・とりあえず、右手の力を抜く。(リラックス)
・普通のいつもギターを弾く位置に右手をセット。(ものすごい高いところから打ち下ろす、、、なんてことしません。)
・ストローク時に弦に当てる指を、6弦を弾けるポジションにセット。
・それと同時に少し、手首を上に回転させておく。(ごくわずかに!かつ、動かすのは手首のみ。)
・上腕の筋肉を一瞬振動させ、手首の関節に「いけ!」という信号と熱意を送る。(手首が回り始めます。)
・力を入れた瞬間に、力を抜く。(脱力)
・手首から先の部分が回転していく。
・この間、指先は弦に当たる角度を調節する。(指の付け根より先で調節。)
・指先が1弦を通り過ぎる。
・右手の腕の位置はストローク後も保持したまま。
・完了。


という感じです。アップストロークも方向が変わるだけで、基本的に同じです。重要なのは、ストロークするために手を動かしだした瞬間に、「力を抜く」こと。こうすることによって、疲労しない、ストロークの円運動を邪魔しない、次のアップストロークに備えることができる、という大きな効果が得られます。

感覚的には、「初速をスナップ(手首の回転)で与えた後、重力に任せてスピードにのる。使う力は最小限。」って感じです。連続でストロークをするような場合でも同様です。



以上のことを守ると、ストロークに粒立ちが出てきます。是非意識してみてください。



<おまけ>

もし興味のある人がいれば。

ということで、「カッティングのすすめ」です。

カッティングとは、全弦をミュート(消音)した状態でストロークをすることを言います。カッティングをすると、「チャカチャカチャカチャカ」といった感じの音がでます。狂詩曲スペインにも出てきていますね。


実はこのカッティング、ショットスピードを意識する上で非常にいい練習になります。


4分の4拍子で、1小節に16分を16個並べて、カッティングしてみてください。テンポ100を目標にしてみましょう。速さがあがると腕が回らなくなる人は、脱力が出来ていない可能性が高いです。また、カッティングがうまく鳴らない人は、ショットスピードが遅い可能性大です。上に述べた注意事項を守って、練習してみてくださいね。

不明な点があればパーレスのときにでも気軽に聞いてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿